さる4月10日(火)、東海大学校友会館「富士の間」(霞ヶ関ビル)にて、当財団主催によるGISPRI公開セミナー「揺れ動く東南アジア政治経済の行方」が開催された。年初よりフィリピン,タイで政権交代、インドネシアではアチェ独立運動とワヒド政権の足元不安、アセアン経済の先行き不透明感など、多くの課題を抱えた東南 アジアの今後の見通しと日本の関わりが議論された。 |
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座長の山影進・東京大学大学院総合文化研究科教授より、新旧加盟国間の巨大 格差(アセアンデバイド)が加盟国間にアセアンの意義見直し機運をもたらす中、統合深化を支援して来た日本は今後どう関与すべきなのか、と問題提起された。 |
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![]() 地域支援として、e-ASEANは昨年11月に枠組み協定でアセアン側と合意、既存の情報基盤のアセアン地域インフラへの発展を目指している。 e-ASIAについては、アセアン+日中韓でITの展開を図ろうとするゴーチョク トン首相の提唱する案と、ITを活用したビジネスモデルでアジアで事業展開する日本 企業を支援する経済産業省構想との2つの考え方を並行的に進めている。 |
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Q1: |
アセアンメンバーは現在のアセアンをどう見ているか? |
A1: | タクシン政権は、対中国関係をより重視しているように見え、ワヒド大統 領も中国とインドを重視し、アセアン新規加盟国との協調まで考える余裕は無い。 |
Q2: | アセアン諸国内での日本のプレゼンスは低下していないか? |
A2: | 今や日本の製造業からASEAN諸国が学べるものは少ない。金融・通信・行 政等に至っては全く手本にならずプレゼンスは低下している。今後、日本は文化的共 通性に基づく協力に活路を探るべきだ。日本は「アジアの中でどう生きて行くか」を政財官皆で議論を掘り下げる必要があろう。 |
Q3: | 今後のアセアンの政治と経済はどうなるのか。 |
A3: | 経済は政治的安定と経済政策の妥当性が必要だ。政策妥当性では、日本も支援可能で、その実現に積極的に関わるべきだが、政治の安定性確保に直接関わることは適切でない。 |
(文責 セミナー事務局 竹林忠夫)
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